コレクション: 日立ブルー1号（青紙1号）

日立青1号鋼（青紙1号鋼）は、日立金属株式会社が製造しています。その成分は、炭素（C）：1.25～1.35％、クロム（Cr）：0.30～0.50％、タングステン（W）：1.50～2.00％、マンガン（Mn）：0.20～0.30％、ケイ素（Si）：0.10～0.20％、リン（P）：0.025％、硫黄（S）：0.004％です。

（注：すべてのナイフ鋼には炭素が含まれており、これが主に硬度と刃持ちに関係しています。ただし、炭素含有量が多いだけでは靭性が低下する可能性があります。）

青紙1号は、白紙1号（白鋼）にタングステンとクロムを添加し、刃持ちと靭性を高めた鋼です。青紙2号（炭素含有量1.05～1.15%）に比べて炭素含有量が多いため、青紙1号は刃持ちは優れていますが、靭性はわずかに劣ります。他の青鋼と比較すると、青紙2号（炭素含有量1.05～1.15%）はやや靭性が高いものの、刃持ちはわずかに劣ります。一方、青紙スーパー（炭素含有量1.40～1.50%）は炭素、クロム、タングステンの含有量が多く、刃持ちは最も優れていますが、脆くなることがあります。

注意：日本の包丁に適した鋼材を選ぶ際には、様々なトレードオフがあることを理解することが重要です。刃持ちなど、ある特性を向上させるには、強度など他の特性を犠牲にしなければならない場合が多いのです。万能に「最高」の鋼材というものは存在しません。鋼材の選択は、お客様一人ひとりのニーズと好みによって決まります。鋼材はパズルのピースの一つに過ぎないことを覚えておいてください。研磨、見た目、全体的な職人技など、お客様にとって重要な要素も考慮してください。鋼材は確かに重要ですが、優れた包丁を作る要素はそれだけではありません。