コレクション: 日立銀3号(ギンサン)
日立銀三鋼(銀三鋼)は、包丁によく使われる人気の日本製ステンレス鋼です。研ぎやすさで知られる銀三鋼は、炭素鋼に似た特性をバランスよく備えながら、耐食性にも優れています。その成分は、炭素(C)0.95~1.10%、クロム(Cr)13.00~14.50%、マンガン(Mn)0.60~1.00%、ケイ素(Si)0.35%、リン(P)0.03%、硫黄(S)0.02%です。
(注: すべてのナイフ鋼には炭素が含まれており、これが主に硬度と刃持ちを左右します。ただし、炭素含有量が多いだけでは靭性が低下する可能性があります。鋼は、少なくとも 13% のクロム含有量で「ステンレス」になります。)
銀三鋼を他の一般的なステンレス鋼と比較すると、武生特殊鋼株式会社が開発したVG-10は、炭素含有量(0.95~1.05%)が銀三鋼とほぼ同等で、クロム含有量(14.50~15.50%)がわずかに高くなっています。また、コバルト、バナジウム、モリブデンも含まれています。VG-10と銀三鋼の刃持ちはほぼ同等で、両者の差はほとんどありません。武生特殊鋼のSG2は粉末冶金鋼で、炭素含有量(1.25~1.45%)が高く、バナジウムとモリブデンの含有量も高くなっています。この組成により、SG2は銀三鋼に比べて耐摩耗性と刃持ちに優れています。
銀三鋼は、ステンレス鋼の利点を活かしつつ、研ぎやすさとメンテナンスのしやすさを重視する方に最適です。様々な包丁に広く使用されており、信頼性の高い性能を発揮します。
注意:日本の包丁に適した鋼材を選ぶ際には、様々なトレードオフがあることを理解することが重要です。刃持ちなど、ある特性を向上させるには、強度など他の特性を犠牲にしなければならない場合が多いのです。万能に「最高」の鋼材というものは存在しません。鋼材の選択は、お客様一人ひとりのニーズと好みによって決まります。鋼材はパズルのピースの一つに過ぎないことを覚えておいてください。研磨、見た目、全体的な職人技など、お客様にとって重要な要素も考慮してください。鋼材は確かに重要ですが、優れた包丁を作る要素はそれだけではありません。